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ニメ「ピアノの森」の再放送が、日曜日の19時からNHKEテレで放送されています。
内容も演奏も素晴らしいので、いつも楽しみに見ています。
今週の「ピアノの森」再放送は第8話「挑戦」でした。
皆さん、見られましたか?
カイが「月光」を弾いたんですけど素晴らしかったです。
途中、激しくなったところで弦が切れるというアクシデントに見舞われるのですが、それでもカイはアレンジを加えて最後まで弾ききります。
とても感動したので、今回は「ピアノの森」8話の感想とあらすじ、ネタバレそして「月光」とカイについてお伝えしたいと思います。
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ピアノの森8話の感想
Gerd AltmannによるPixabayからの画像
「ピアノの森」8話の感想ですが、私は内容というよりも、まず「月光」を奏でるカイの指の動きとシルエットに感動しました。
これを実際に演奏しているピアニストの動画をしっかりと研究し、描写したのでしょうね。
本当に「月光」を演奏しているようで素晴らしかったです。
また右手の1フレーズが終わって間がある時に、手をピアノの下に落とす、この仕草は特に男性のピアニストに多いと思いますが、それさえも描写してありました。
そしてシルエット。
「月光」の第1楽章を弾く時、そして第3楽章を弾くときの上半身の動き。
また、実際のカイのピアニストもこのような体型をしているのだろう、それを忠実に表現してあるのだろうと思いました。
テレビアニメの中でのカイのピアニストが誰なのか、明かされていませんが、ますます興味が沸きました。
それから、佐賀先生と司馬先生のこと。
この二人は5年前のコンクールの時にカイの才能にフタをした審査員だったのですが、どうしてもカイのことを忘れることができずにいます。
そして5年経ち、丸山誉子に「どうしてあの時、カイは本選に残らなかったの?」と聞かれた司馬先生は「それは、我々審査員が全員ぼんくらだったからだよ。」と答えます。
司馬先生の心には、音楽家でありながら、純粋な音楽を裏切った自分への悔恨があるのでしょうね。
そういうところを書いてくれる原作者の一色まことさんは本当に音楽を愛する人だと思いました。
それからカイもすばらしいですね。
カイがショパンコンクールに出るための推薦状を自分が書くのはカイに不利になると思った阿字野先生はセローともう一人、別の人に頼んだがいいと言います。
25年前に阿字野先生がショパンコンクールの予選で落選した時にセローが猛烈に抗議をしたことがあるのです。
ですから二人で推薦者になるのはケンカを売っていると思われると心配したのでした。
でもカイは言います。
「ケンカじゃないよ、でもケンカなら勝つ。絶対に勝つ。」
そのカイに「ショパンコンクールをなめるな。」と言った阿字野先生は、逆にカイから
「先生こそ俺をなめるな!」と言われます。
どこまでも阿字野先生を師と仰ぐカイ。
そして自分の実力で勝つから余計な心配はいらないと言うカイ。
とてもいいシーンでした。
ピアノの森8話のあらすじとネタバレ
カイ(一ノ瀬 海)は、ピークラでのバイトも辞めて、コンクールの優勝に向かってピアノの練習に集中し始めました。
ピークラでピアノを弾くマリアの大ファンである浪花音楽大学学長代理の佐賀先生は、マリアが店から突然いなくなったので焦りまくり、何とか見つけ出そうとします。
「あれだけのピアノが弾けるんだから、しっかりした教育を受けているはずだ。どこかのコンクールにも出るに違いない。」とコンクールの出場者名簿をチェックしたりします。
でもマリアは女装したカイなのですから、探し出せる訳がありません(笑)
しかし、マリアを探すためにチェックしていたJAPANソリストコンクール出場者名簿の中に、一ノ瀬海の名前を発見します。
現在誉子にピアノを教えているハヤマ音楽大学附属高等学院教諭の司馬先生も浪花音楽大学学長代理の佐賀先生もまたずっとカイのことを気にしていました。
彼らふたりは、5年前の全日本学生ピアノコンクールで、カイの才能にフタをして落選させた審査員のひとりだったからです。
そしてとうとうJAPANソリストコンクール出場者名簿の中に、カイの名前を発見したのです。
佐賀先生は阿字野とカイの関係も知ることになり、このことをハヤマ音楽大学附属高等学院教諭の司馬先生に知らせに行きます。
佐賀先生と司馬先生は5年前の全日本学生ピアノコンクールで、カイの才能を知りつつ、落選させてしまった審査員をしていたのです。
ですから、二人ともカイのことを気にしていました。
現在誉子のピアノの指導をしている司馬先生は、誉子がずっとカイを探していることを知っていて、「合わせたい人がいる。」とだけ言い、誉子を飛行機に乗せます。
誉子は現在腱鞘炎なので、手を治してくれる先生かなと思い、ついて行きました。
しかし二人が着いたのは、大分のソリストコンクールの会場に行くのです。
司馬先生と誉子が会場に着くと、ちょうどカイの演奏が始まりました。
曲目はベートーベン作曲の「月光」第1、3楽章。
途中でピアノの弦が切れるというハプニングを咄嗟のアレンジで乗り切ったカイの演奏はすばらしいものでした。
「どうしてあの時、カイは本選に残らなかったの?」
誉子の問いに、司馬先生は「それは我々審査員が全員ぼんくらだったからだよ。」と返します。
このコンクールで優勝者は選ばれず、代わりにカイがソリスト賞に選ばれます。
しかし、カイは審査発表の前に会場の外へ。
そこに誉子がやって来て、感動の再会(カイが感動したかは分かりませんが)です。
「私のこと覚えている?」と聞く誉子に、カイは「忘れるわけないだろ?便所姫!」と答えます(笑)
そこにカイがソリスト賞を取ったという連絡が。
カイと誉子は急いでコンクール会場に戻ります。
そしてカイはM響とラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演奏するのです。
その会場にいた世界的ピアニストで指揮者のジャン・ジャック・セローはその指揮を買って出ます。
本番の前にセローはカイに言います。
「2度目に弾き直したのは君のピアノじゃなくてオーケストラに合わせたピアノだ。君のピアノを弾きなさい。」
この言葉に勇気づけられたカイは自分のピアノを弾きます。
M響のメンバーはカイに振り落とされないように必死でついていきました。
誉子はカイの演奏を聴きながら、「きっとあなたと同じ舞台に立つ。」と改めて決心します。
そしてセローは阿字野と共に、カイをショパンコンクールに推薦しました。
留学中の雨宮修平は、カイがショパンコンクールに出ることを聞き、「阿字野先生だけでは飽き足らず、世界のセローまで味方につけて。」とメラメラとカイに嫉妬と闘争心を燃やし、自分もショパンコンクールに出る決心をするのでした。
ピアノの森8話の「月光」とカイについて
ピアノの森8話のソリストコンクールでカイが弾いたのはベートーベン作曲の「月光」。
正しくはピアノソナタ第14番嬰ハ短調 作品27-2という曲です。
「月光」は「悲愴」「熱情」とともにベートーヴェンの三大ソナタと言われます。
ベートーベンは自分のピアノの弟子となった14歳の伯爵令嬢、ジュリエッタ・グイチャルディに夢中になり、この曲を彼女に捧げました。
「月光」という題名はベートーベン自身が付けたものではなく、詩人のレルシュターブがこの曲を「スイスのルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小舟のよう」と評したことに由来します。
「月光」の第1楽章はそのコメントの通りに、静かで繊細で悲しげでもあります。
カイの演奏は3連符に続く付点リズムの「タッカター」のカ(16分音符)の部分が非常に落ち着いていて余裕を感じさせ、聴く者を包み込みます。
そして第3楽章。
右手のアルペジオがどんどん上昇していき、感情も激しく高まります。
その時にピアノの弦が切れたのです。
切れたのは右手の2オクターブ目のG(ソ)♯でした。
その音はその後も何度も出てくる大事な音なんですが、カイは咄嗟にこの音を回避し、別の音で、曲の雰囲気を壊さずに弾くのです。
右手で美しいメロディーを奏でるところもアレンジしてしまいます。
驚くべきカイの能力です。
しかし、こんなことを考えたのは一体誰?
原作者の一色まことさんなのでしょうか?
そしてそれを弾きこなしているカイのピアニストは誰なのか益々興味が沸きます。
こちらはカイのピアニストが演奏している珠玉の作品集です。
演奏者はそのまま「一ノ瀬海」と表記してあります。
さあ、来週はいよいよワルシャワです。
更におもしろくなりそうですね。
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