ギリシャにルーツを持つフランスのピアニスト、シプリアン・カツァリス。
カツァリスは以前、NHKの「ショパンを弾く」の講師をした頃から日本でも有名ですね。
協奏曲をピアノ1台で弾く超絶技巧の持ち主で「鍵盤の魔術師」とも言われています。
まず、カツァリスの現在についてお伝えします。
カツァリスは現在、71歳です。(2022年6月現在)
カツァリスは2001年に「PIANO21」という自身のレーベルを立ち上げました。
そして現在もレコーディングをしたり過去の演奏を復活させたりしてCDを製作しています。
その熱意と実行力、恐るべしですね!
またコンサートも意欲的にこなしています。
今年2022年4月には3年ぶりの来日公演が東京と兵庫で行われました。
カツァリスの来日は、これで37回にもなったそうです。
実は、2020年からたくさんの日本での公演が予定されていたんですけど、新型コロナの影響で、全部中止になったんです。
カツァリスご本人も残念だったでしょうし、楽しみにしていた多くのファンも悲しかったことでしょう。
そんな状況なので、カツァリスは2020年の秋からオンラインでピアノレッスンを始めています。
まあ、どこまでも意欲溢れる方です。
シプリアン・カツァリスの経歴とプロフィール
それでは、シプリアン・カツァリスの経歴とプロフィールについて見ていきましょう。
経歴
シプリアン・カツァリスは1951年5月5日にフランスのマルセイユで生まれました。
両親はキプロス系です。
家族は父親の仕事の都合でカツァリスが誕生する前からアフリカのカメルーンに移住していて、カツァリスが生まれる時だけ、マルセイユに戻っていたそうです。
その後、カメルーンで育ちますが、両親がたくさんレコードを持っていて、カツァリスもそれを聴いて育ちました。
またお姉さんの影響で、4歳からピアノを始めました。
カツァリスはベートーベンの「田園」交響曲がとても気に入って、オーケストラをピアノで弾きたいと思ったのだそうです。
これが将来の超絶技法に発展していくんですね。
そして13歳の時にパリ音楽院に入学します。
それから2年後、パリでコンサートデビューをします。
1970年、19歳でパリ音楽院を卒業するのですが、室内楽とピアノ部門の両方を主席で卒業しました。
その後、コンクールでの入賞を続けますが、1974年にはヴェルサイユで行われたジョルジュ・シフラ国際ピアノコンクールで最優秀賞を受賞しました。
1977年にはエテルナハ音楽祭の芸術監督に就任します。
これはルクセンブルクの有名な音楽祭で、今は行われていませんが、カツァリスは長年、この音楽祭の監督を務めました。
1985年に初来日。
1986年にはカーネギーホールデビューをします。
そして1993年に放送されたNHK趣味百科「ショパンを弾く」の講師をすることに。
ショパンのピアノ曲から人気の13曲を選び、毎回生徒を変えてカツァリスがレッスンをするのです。
このレッスン風景にはカツァリスの感性が溢れ出ています。
それに、「ピアノを弾くの大好きだけど、教えるのも大好き!」というのが伝わってきます。
今もYouTubeで観ることができますから、ぜひ観てくださいね。
そんなカツァリスですが、今から10年前に一度脳梗塞になったことがあるんです。
でも、それはピアノを演奏していた5分間だけで、翌日は何もなかったかのようにまたピアノを弾いたというから驚きです。
こんなインタビュー記事を見つけました。
人間とは思えない。
もう笑っちゃいますね。
まず私に限って病気になることなんてありえなかったんです。これまでほとんど病気にかかったことがないんですよ。昨年の10月1日、キプロス大使館主催のコンサートのときでした。30カ国からの大使が来るという大切な演奏会だったんですけど、演奏終了の5分前、突然左の手の感覚が全くなくなってしまったんです。死ぬか麻痺が残るかという状況だったんですけど、私は精神的に強いので、翌日にはまるで何もなかったかのように手が動くようになっていました。目が覚めて、すぐピアノを用意してもらって、数日後、7、8人の医者に待機してもらって弾いたんです。難しい曲も問題なく弾けたので、医者も信じられないとびっくりしてましたよ(笑)
引用元 http://chubu.pia.co.jp/interview/classic/2013-03/cyprien.html
カツァリスは自分とピアノについて、こう語っています。
ピアノは私にとって、生涯のよきパートナーといえるでしょう。息の合った伴侶のような存在ですね。自分の感情を表現するだけではなく、精神的、身体的な関係のすべてを共有するものです。聴衆とそれらすべてを分かち合い、より高い精神的な世界へと到達できる。それが、私がピアノを弾くという行為によって生み出される世界です。
引用元 https://jp.yamaha.com/sp/pianist-lounge/interview/cyprien_katsaris_2/5q/
その後、カツァリスの来日コンサートも回を重ねていきます。
2016年には私の住んでいる熊本にも来てくださいました。
それは、熊本地震から半年後のこと。
カツァリスは被災者のために、自らチャリティーコンサートを提案したのだそうです。
熊本地震のことを知り、いてもたってもいられなくなったのでしょうね。
コンサートはルーテル学院中学高校の礼拝堂で行われました。
プロフィール
こちらは大阪音楽大学のホームページに掲載してあるカツァリスのプロフィールです。
カツァリスは大阪音楽大学と大阪音楽大学短期大学部の客員教授でもあります。
1951年マルセイユ生まれ。キプロス系フランス人のピアニスト兼作曲家。
1972年ベルギーのエリーザベト王妃国際音楽コンクールでは唯一の西ヨーロッパ人受賞者となった。
カツァリスは、世界的なオーケストラとレナード・バーンスタイン、クルト・マズア、チョン・ミョンフン、サイモン・ラトルなどの世界的な指揮者と共演。1984年ドイツでベートーヴェン作曲/リスト編曲の「交響曲全曲」で「レコード・オブ・ザ・イヤー賞」を受賞した。これまで、ソニー・クラシカル、EMI、テルデック、ドイチェ・グラモフォン、BMG-RCA、デッカ、パヴァーヌなどと数多くの録音を行い、現在は自身のレーベル「PIANO 21」で精力的に録音を行っている。
1992年、日本のNHKは、シプリアン・カツァリスと共同で、フレデリック・ショパンについてカツァリスによるマスタークラスの番組を制作、その個性的なレッスンに多くの若いピアニストが魅了された。 カツァリスは、1997年に「ユネスコ平和芸術家」に任命され、関連のコンサートに参加し、
2015年はユネスコ創立70周年の記念の年で、コンサートをユネスコ周年記念として行っている。引用元 https://www.daion.ac.jp/professor/114/#:~:text=1951年マルセイユ生まれ。,な指揮者と共演。
シプリアン・カツァリスの来日記念盤CD2022について
カツァリスの来日記念盤CDは2022年4月に発売開始されました。
これは、ギリシャをルーツに持つカツァリスが、1821年のギリシャ独立戦争以降のギリシア音楽を集めたものです。
何か興味が湧いてきますね。
気になる方はこちらからご覧ください。
最後に
今回は、鍵盤の魔術師、シプリアン・カツァリスの現在と経歴やプロフィール、そして来日記念盤CD2022についてお伝えしました。
この記事を書くにあたり、こちらのサイトを参考にさせていただきました。
カツァリスの長年のファンでいらっしゃる方が運営されているようです。
すごくためになるだけでなく、すごくおもしろいサイトで、記事を書くのを忘れて楽しませていただきました。
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