いのちの歌の合唱指導の小学生編!アルトとソプラノのポイントを解説!

皆さん、こんにちは。

うたこです。

もうすぐ卒業式ですね。

私は今、近くの小学校の先生に頼まれて、卒業生の合唱指導のお手伝いに行っています。

ここの卒業生達は「いのちの歌」とあと1曲を合唱します。

「いのちの歌」は本当に感動的な歌で、最近、小学校や中学校の卒業式で歌われるようになりました。

でも音楽が専門ではない先生方は、「どうやって指導したらいいのだろうか?」ととても悩んでおられるようです。

それで今回は、私の経験から「いのちの歌」の合唱指導を小学生に行う時のアルトとソプラノのポイントをまとめてみました。

感動的な合唱にしたいとがんばっておられる先生方、どうぞ参考になさってくださいね。



「いのちの歌」について

キイロイトリさんによる写真ACからの写真

「いのちの歌」は2008年から2009年に放送されたNHK連続テレビ小説「だんだん」の中で、主人公の三倉茉奈さんと佳奈さんが歌ったものです。

作詞は竹内まりやさんで作曲はドラマ全体の音楽も担当された村松崇継さんです。

歌詞、メロディーともに感動的な「いのちの歌」は大ヒットして、小中学校の卒業式や結婚式などで歌われるようになりました。

私が指導している少年少女合唱団でも何度か歌ったことがあります。

最初は、ある保護者の方の「今度の演奏会で、ぜひ『いのちの歌』を歌って欲しい。」という声にお応えして、この歌の練習を始めました。

私は当時は忙しく、朝ドラを見ることもなかったので、この歌は「聞いたことがある」くらいでした。

でも初回の練習で、子ども達が歌う「いのちの歌」を聴き、涙が止まりませんでした。

この星の片隅でめぐり会えた奇跡は どんな宝石よりも たいせつな宝物

「そうだ。広い地球のひと隅で家族や大切な人と出会いつながることができた。そして今、目の前にいるこの子達と出会ったことは何にも代えられない宝物だ。」そう思うと熱いものが込み上げました。

いつかは誰でも この星にさよならをする時が 来るけれど 命は継がれていく・・・そのすべてにありがとう この命にありがとう

毎日バタバタと家のことや仕事のことに終われている日々でしたが、この歌詞を聞いた時、心が大きくなり、自分の命とそれが継がれていくことへの感謝と不思議さで一杯になりました。

本当にだいじなものは 隠れて見えない

「ああ、そうだな。表面ばっかり見てたら大事なことを見失うんだな。」

そしてことばの一つひとつを活かし、盛り上げ、訴えかけてくる曲の素晴らしさ。

「いのちの歌」の歌詞も曲も、とても深いものですが、でも子供達は素直に理解して歌ってくれました。

そしてこの「いのちの歌」は合唱団の伴奏者の結婚式で、私の父と母の告別式で、そして昨年は娘の結婚式でも子供達が歌ってくれました。

だから、この「いのちの歌」は私にとって、とても思い出深い歌です。

この「いのちの歌」は、今年2020年1月1日に、作詞者、竹内まりやさんの歌で「いのちの歌 (スペシャル・エディション)」として再リリースされ、1月に「オリコン週間シングルランキング」で1位を獲得しました。

「いのちの歌」は時代を超えて多くの人に愛され、同声2部や混声3部、混声4部、女性3部などいろいろな合唱曲に編曲されて、合唱曲の定番になっています。



「いのちの歌」の合唱指導を小学生に行う時に大切なこと

そよごさんによるイラストACからのイラスト 

さて、それでは「いのちの歌」の合唱指導を小学生に行う時に大切なことについてまとめていきます。

「いのちの歌」以前に大切なことは姿勢と呼吸と笑顔!

と言っても、「いのちの歌」以前に、どの歌を歌う時でも大切なことがあります。

それは姿勢と呼吸と笑顔です。

どんなに「歌おう」という気持ちがあっても、この3つのことができていなければ、聴いている人に感動を伝えることができません。

姿勢

歌う時の姿勢で一番大切なことは、背筋を伸ばして堂々とした姿勢をすることです。

先日指導に行った子供達も、一生懸命に歌っているのですが、いろいろな姿勢の子がいました。

これでは、正しい位置に重心をかけることができず、お腹からしっかりと声を出すことができません。(汗)

合唱の時の正しい姿勢はこうです。

①足は肩の幅に開き、さっと歩き出せるようにどちらかの足を少し前に出す。
②重心は足の親指の付け根の当たりにかける。
③手は横に伸ばし、後ろで組まない。
④胸を張り肩の力を抜く。
⑤お腹を引っ込めてお尻をキュッと上げる感じ。
⑥顎は出したり詰めたりせずに力を抜いて真っ直ぐにする。

足を開くかどうかはその合唱団の指導者によって方針が変わりますが、どちらにしても足をしっかりと地につけなければいけません。

そして、おへその下5cmくらいの一点に力を入れ、いらない力は抜きます。

力を抜くといっても、背中が丸くなったり肩が前に出てきてはいけません。

ひな段に立つ時は、足の前の方に重心をかけることができるように足先までちゃんと入れているか注意しましょう。

呼吸の仕方

呼吸というのは何をする時にでも、とても大切です。

歌を歌う時には、瞬間的に息が体の中に入るようにしないといけません。

そのための練習法としては、まず息を吐き出します。

自分のお腹周りをビーチボールだと思い、お腹と背中がくっついてぺちゃんこになるイメージで、歯と歯の間から「スー」と息を吐きます。

次に鼻と口との両方から息を瞬間的に吸い、お腹周りを膨らませます。

お腹の前の方だけでなく、ビーチボールが丸く膨らむのをイメージして、お腹周り全体に息を入れます。

そしてその息を使って声を出すように指導しましょう。

笑顔で歌う

合唱指導の研修会などで「いい声というのは、明るい声です。」とよく聞きました。

大変分かりにくい表現だと思いますが、自分の口の中をホールとすると、出した声が天井にパーンと当たって響くようなイメージです。

教会やホールなど天井が高いところでは声がよく響きますね。

自分の口の中もあくびの時のように高さを出しましょう。

下に開けるのではなく、上に開け、頬骨に声を当てます。

そのためには笑顔で歌うことが大事です。

目を細めてニコッとする笑顔ではなく、突然とても嬉しいことを聞いた時のように眉も目もほっぺたも上に開けましょう。

そうすると心もぱっと明るくなります。

その笑顔でしっかりと声を出して歌うように指導してください。

「いのちの歌」の歌詞を読み想像する

「いのちの歌」以前のことが大変長くなりましたが、大切なことなので普段からしっかりと身につけさせましょう。

さて、それでは「いのちの歌」の合唱指導に入りますが、まずは歌詞を読み、いろいろと想像させて欲しいと思います。

例えば

・自分が生まれた時、お父さんやお母さんはどんな気持ちだったんだろう。

・兄弟げんかばかりするけど、もし弟がいなかったらどんな毎日だろう。

・広い地球の中、今、隣の友達と出会えたことの不思議さ

など。

小学生なので難しいことや複雑なことは考えないかも知れませんが、自分の命への愛おしさや家族への感謝が大きくなるのではないでしょうか。

もし、学習発表会や卒業式で歌うのなら、聞いてくれる親にその気持ちが伝わるように歌いたいと思ってくれるのではと思います。

まずは全部を強く歌う

慣れてきたら強弱などの表現を考えますが、まずは一つひとつの音を強く歌うようにしましょう。

最初から「ここはmp(メゾピアノ)だから少し弱く」などと言っていると、弱々しい歌にしかなりません。

本当は、小さく歌うことはとても難しいことで、強く歌うことがベースにあり、更にお腹を緊張させて張った糸が緩まないようにすることで小さく歌うことができます。

それでまずは全てを強く歌うように指導しましょう。

強く歌うということはスピードのある声で歌うということです。

ことばの最初の音を意識して歌う

その音もはっきりと歌うことが大切ですが、特にことばの頭を意識させましょう。

「いのちの歌」の出だしは「生きてゆくことの」ですね。

最初の「い」をしっかりと出します。

最初のことばをしっかり出すためには、上で述べた息の仕方が大事になります。

前奏が終わりそうになったら、ゆっくりと息を吐き、さっと吸って「い」をしっかりと前に出します。

その後も「問いかける」の「と」、「胸をよぎる」の「む」、「愛しい人」の「い」とことばの頭を意識して、しっかりと出すように指導しましょう。

こうすることで、ことばの意味が伝わりやすくなるだけでなく、とても上手な合唱に聞こえますよ。

ことばの途中の伸ばす音は次の音に向かって大きくする

「いのちの歌」では「生きてーゆく」、「このほーしの」という風にことばの途中で伸ばすところがあります。

ここの歌い方はとても重要です。

ここをただ伸ばすと絶対に弱くなります。

声というのは空気を振動させて飛んでいく見えないボールです。

ですからそのままだとどんどん速度が落ちて弱くなるんです。

それでことばの途中の伸ばしは次の音に向かって大きくしましょう。

大きくしたと思っても、実際には同じ大きさを保っただけということが多いですが。

こういうふうに歌うことで感動が伝わる歌になります。

メロディーの山を意識して歌う

「いのちの歌」はその深い言葉が聞いている人により伝わるようなメロディーでできています。

まさにことばと音程が連動して感動を伝えることのできる素晴らしい曲です。

例えば下の部分では、メロディー(旋律)の動きがなだらかな山を作っています。

この山を意識して歌うと、より深く言葉の意味を伝えることができます。

「このほしのかたすみで」と「めぐりあえたきせきは」は同じ高さの山、次の「どんなほうせきよりも」はそれよりも高い山です。

そして「たいせつなたからもの」は穏やかな山になり、一つのフレーズが終わります。

指揮をする先生は、しっかりとこの山を意識して指揮をしましょう。



「いのちの歌」のアルトとソプラノのポイントを解説

Mizue.OさんによるイラストACからのイラスト

小学生の合唱では、だいたい同声2部の楽譜が使われます。

「同声」というのは、声変わりしていない男女が一緒に歌うことで、「同声2部合唱」は男子も女子も一緒に高音部と低音部の2つに分かれて歌うことです。

これに対して「混声」というのは声変わりした男性と女性が別のところを歌います。「混声3部合唱」は男声(テノール)と女声(ソプラノ・アルト)の3部での合唱になります。

「いのちの歌」にはいろいろな編曲がありますが、楽譜が違っても共通して大切にしなければいけないポイントについてお話したいと思います。

まずは全員に主旋律を歌わせる

先日、指導に行った学校の子供達は自分のパートをよく練習していて正しい音程で歌うことができていました。

しかし、最初から自分のパートだけを練習していたらしく、主旋律(主なメロディ)が分かっていませんでした。

ということは、自分が今歌っているのが主旋律なのか副旋律なのか分からずに歌っているということです。

これでは自分の役割が分からず、いい歌を作ることはできません。

ケーキにたとえるなら(すぐ食べ物にたとえてしまいますが 笑)、自分が今スポンジなのかクリームなのか、イチゴなのかが分からないということです。

どんなに美味しくてもスポンジを潰す程のクリームが乗っていたらちょっと引きますよね。

スポンジに対してちょうどよい割合のクリームがあり、そしてデコレーションのイチゴがちょこんと乗っているから、クリームやイチゴのありがたみが分かるし、スポンジを美味しく食べることができるんですよね。

合唱も同じで、今、主旋律はソプラノなのかアルトなのかをしっかりと意識して歌わなければいけません。

そのためにはまず、全員で主旋律を歌い、この曲のメロディのすばらしさを味わいましょう。

ソプラノのオブリガードは軽くなめらかに

オブリガードというのは、ハミングやアーやルーなどで歌う飾りのことです。

これは上述したケーキの上のクリームに当たりますから、軽くなめらかに歌い、主旋律を引き立てるようにします。

下は富澤裕さん編曲の2部合唱の楽譜の一部ですが、上の段のmーというところがそれに当たります。

ソプラノパートの子供達には、「ケーキの上のクリームだからねー。かるーく、なめらかにねー。」と言いましょう。

スラーでつなげてあるところは、言い直さないで、曲線を描くように柔らかく歌わせてください。

音が重なっているところはアルトがしっかりと支える

縦の線が揃って音が重なっているところは、ことばを特にしっかりと伝えたいところです。

上のCの部分や下のようなところです。

こういうところは重厚に聴かせたいところなので、アルトパートはソプラノパートを支えるようにしっかりと歌いましょう。

アルトパートは主旋律ではありませんが、和音を作るところなので、下の音が大きくても大丈夫です。

ソプラノパートはアルトに乗って、気持ちよく歌いましょう。

強弱はメロディーに合わせる

上の方で「メロディーの山を意識して歌う」と書いていますが、時々、副旋律が主旋律(メロディー)の山と逆になっていることがあります。

下のEのアルトパートがそうです。

ソプラノのメロディーが山になっているのに、アルトは音が下がっていってますね。

ここは、アルトパートはソプラノの歌を聴きながら、ソプラノと同じように山を作ります。

音が下がるのに盛り上げるって、とても難しいことですが、それができたら、さらに感動が深まります。

ユニゾンの部分は一人になった気持ちで

この編曲では、終わりの方の「いつかはだれでも このほしに~」というところがアルトもソプラノも一緒にメロディーを歌うことになっています。

違うパートが一つの旋律を歌うことをユニゾンと言います。

その前で、2部でぐっと盛り上がって、ここで静かにユニゾンになるとぐっときます。

今まで違う音を歌っていたアルトパートとソプラノパートが一つになり、まるで一人の人が歌っているように、心を合わせ音を合わせて歌わせましょう。

ここでは「一本の細い糸になったつもりで。でも糸が落ちないように前に向かって飛ばしてね。」と言いましょう。

体育館中を歌声と感動で満たしましょう!

かっちゃんさんによる写真ACからの写真

今回は、「いのちの歌」の合唱指導を小学生にする時のアルトとソプラノのポイントをお伝えしました。

まとめると以下のようになります。

・正しい姿勢と呼吸に気をつけ笑顔で歌う
・「いのちの歌」の歌詞を読み想像する
・まずは全部を強く歌う
・ことばの最初の音を意識して歌う
・ことばの途中の伸ばす音は次の音に向かって大きくする
・メロディーの山を意識して歌う
・まずは全員に主旋律を歌わせる
・ソプラノのオブリガードは軽くなめらかに
・音が重なっているところはアルトがしっかりと支える
・強弱はメロディーに合わせる
・ユニゾンの部分は一人になった気持ちで

細かいことをすごくたくさん言いましたが、これらのことは歌の感動を伝える上で大事なポイントです。

そして歌っている子供達も、このポイントを意識して歌うことにより、「いのちの歌」の素晴らしさ、そして合唱することの素晴らしさを味わうことができるでしょう。

もうすぐ卒業式。

巣立ちの日がやってきますね。

体育館中に子供達の歌声と感動が響くことを祈っています。

もし、何か質問や相談などがありましたら、どうぞこちらまでお寄せください。




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